INTERVIEW

事業戦略インタビュー

やるべきことをやる着実さと、デジタルを駆使した創造性。
二つの顔が、あたらしい薬王堂をつくっていく。

美と健康と豊かな暮らしに貢献することを使命とし、東北の人々に寄り添い続けた薬王堂。
さらに店舗運営だけでなく、他企業とのコラボレーションを通じて、ドラッグストアの枠組みにとらわれない取り組みも推進しています。2025年4月には、栃木県那須塩原市に出店。これを皮切りに関東にも積極的に進出しています。そんな大きな挑戦の時を迎えた薬王堂の西郷孝一代表取締役 社長執行役員(以下、社長)に、これからの方針について聞きました。

西郷 孝一/代表取締役 社長執行役員

大学卒業後、花王株式会社で5年間勤務。その後、2012年4月に株式会社薬王堂に入社。営業企画部長、商品部長、業務改革部長、経営企画部長を歴任し経営に携わる。2018年4月に設立した薬王堂100%子会社の「Medica株式会社」の代表取締役、2021年5月には薬王堂ホールディングス常務取締役経営戦略部長、2022年3月に薬王堂取締役常務執行役員営業本部長に就任。中長期的な戦略の立案から実行、他業界の人材や企業とのコラボレーションを推進。営業部門の責任者を経て2024年3月から現職。

既存店の成長と、攻めの関東進出。それを支える、薬王堂の基礎。

これまで東北を中心に展開してきた薬王堂ですが、ここへ来て関東進出に踏み切ったのは、私たちが成長するために必要な挑戦だと考えたからです。関東よりもさらに少子高齢化が進む東北において、既存店が着実に成長し続けていることは私たちの自信につながっています。この背景には薬王堂の強みである“変えない店舗経営”があると思います。私たちが販売する、医薬品や化粧品、日用品などは、いざ必要になって店舗に行った時、「いつもの場所に」ないと戸惑ってしまうもの。だから薬王堂は販促や施策を“ころころ変えない”。変えないことでお客様は買い物しやすくなり、店舗のオペレーションを乱さずスタッフの負担も軽減でき、本来やるべきことに集中できる。それが、堅調な数字の伸びにつながっています。このやり方は、私たち独自のものではなく、小売業の基本に忠実な考え方です。この骨太な方針そのものが、結果として薬王堂らしさを形づくっていると思います。だからこそ、関東という新しいエリアへの進出にも踏み切ることができました。出店の際の立地選定は、数年かけて集計したデータと創業者の経験値を掛け合わせて判断し、実際にこの手法で選んだ立地は確実に成果につながっています。創業からの歴史とノウハウにデータ分析を組み合わせることで、従来を大きく上回るペースで事業を成長させていきます。創業から40年余りで400店舗を突破しましたが、今後5年間は、この40年間に匹敵する450店舗を新規出店し、850店舗超の体制を目指します。これは実現可能な数字だと考えています。

ドラッグストアでもあり、“スタートアップ”でもある風土。

薬王堂は基本に忠実でシンプルな店づくりを大切にしています。作業負担を軽減することで、店舗スタッフには「やるべきことをやる」ことに注力してもらう。このように店舗運営はベーシックである一方、本部は非常にクリエイティブな側面を持っています。これまで薬王堂は、数々の企業やスタートアップ、データサイエンティストたちとコラボレーションを続けてきました。このような取り組みに参加したメンバーたちの成長スピードには目を見張るものがあります。最近では、データサイエンスによる購買行動の変容分析やAIを活用したプロジェクトが複数動いています。2025年11月にリニューアルしたAI肌診断も薬王堂のプロジェクトメンバーが自社開発したもの。構想からリリースまでは約半年というスピード感でした。社内では、生成AIの勉強会も積極的に行っています。今後は外部に依頼していたプロダクトだけでなく、「業界初」のプロダクトを自分たちで開発することにもチャレンジしていきます。このように、基本に忠実な店づくりと、スタートアップのようなスピード感を持つ本部の二面性が薬王堂の魅力です。

「働く場所」としての薬王堂の面白さと可能性。

店舗経営、データ分析、AI開発、事業創造。もう薬王堂は、「ドラッグストア」と一言では言いきれないほどの経験が得られる場所になっていると思います。ここにはさまざまな働き方があるのです。店舗では目の前のお客様と向き合い、スタッフと関係を築きながら地域の人々から必要とされる店づくりを追求できる。一方、本部には全く違うキャリアがあります。プロジェクトに参加することで、データサイエンスやAI技術を身に着け、新規事業に携わることができます。参加メンバーは年代に縛られることなく、若手もどんどん抜擢されています。今後は、AI活用による業務の自動化や新しいプロダクト開発も見据えており、本部の仕事はますます創造性を増していくでしょう。また、自分のライフステージに合わせて働ける会社でもあります。例えば、産休や育休がとりやすく、時短勤務も取り入れています。このような制度を利用したとしてもキャリアに影響することはありません。実際に、産休育休を経て今はマネージャーとして活躍している人もいます。また、年齢を重ねても活躍できる場があるので、ベテランメンバーも挑戦を続けています。いくつになっても人は成長できますし、そのチャンスを提供し続ける会社でありたいと思っています。

トップ対談

ドラッグストアだけではとどまらないスキルを
身に着けたメンバーが、続々覚醒中。

新規事業や業務プロセスの改善など薬王堂の成長に欠かすことのできないデータサイエンスやAI。新しい技術を積極的に取り入れていく薬王堂の姿勢や魅力について、社長と副社長の二人に語ってもらいました。

新規事業や業務プロセスの改善など薬王堂の成長に欠かすことのできないデータサイエンスやAI。新しい技術を積極的に取り入れていく薬王堂の姿勢や魅力について、社長と副社長の二人に語ってもらいました。

西郷 泰広/取締役 副社長執行役員 兼 DX戦略部長

大学卒業後、IT企業でソフトウェアエンジニアとして経験を積んだ後、エンジニアの経験を活かしてDXを推進するため、薬王堂に入社。DX推進室にて『P!ck and』のサービス開発に携わった後、DX戦略部立ち上げとともに、2022年3月には薬王堂ホールディングス管理部長および薬王堂取締役執行役員管理本部長 兼 DX戦略部長に就任。管理部門の責任者を経て2024年3月から現職。

  • 副社長:私がエンジニアから転身したきっかけは、AIの台頭を予見し、これからエンジニアというキャリアだけで生き残っていくのは難しいのでは?と考えたためです。この数年を見ていると、そのときの想像を遥かに超える現実が訪れていますね。
  • 社長:薬王堂の場合、その変化がとても早い。先日、エンジニア経験のないメンバーが生成AIを使って、たった30分で野菜の検品アプリを作成していました。
  • 副社長:そういう意味では、薬王堂は、店舗スタッフだから、エンジニアだから、本部だからと役割に縛られず、多様な経験が積める会社になってきましたね。
  • 社長:先日リリースされたAI肌診断の開発に携わったのも、教育を担当する部署の責任者であり、3児のママ。店舗やお客様を良く知るメンバーがつくっています。
  • 副社長:店舗運営という基礎があって、お客様の顔が見えているから、現実感のある施策が出てくるんですよね。
  • 社長:今後は、プロダクト開発にも一層、力を入れていきます。今、盛岡本社の13階を特別プロジェクト用に使って、面白いメンバーを集めています。
  • 副社長:「13階から世界を変える」という掛け声のもと、いろんなプロジェクトが立ち上がっていますね。
  • 社長:外から見えているドラッグストアの部分と、その枠組みに収まらないプロダクトやサービスを創造する部分。薬王堂はこれからもっと目が離せない存在になっていきます。