Business strategy discussion事業戦略対談

一人ひとりの成長が、ドラッグストアの枠を超える。
これからの薬王堂を語る。

「薬王堂はドラッグストアだと思っていない」と語る、西郷 孝一 代表取締役 社長執行役員(以下、社長)。中長期的な戦略の立案・実行、他業界の企業とのコラボレーションを推進する社長と、西郷 泰広 取締役 副社長執行役員 兼 DX戦略部長(以下、副社長)に、薬王堂の強みやこれからの方針を語っていただきました。

まだ誰も想像していない進化を起こすのは、私たち。

社長
これからのドラッグストア業界は、プレイヤーが固まってきて、寡占化が進んでいくと思っています。一方で、市場自体はまだ広がっていく。
副社長
医薬品を販売するに留まらず、化粧品はもちろん、食料品や衣料品、ペットフードなど広がりがある。特に、東北エリアが中心の薬王堂では、過疎化や交通網の弱体化などで買い物が困難な地域の人々に向けて、生活に必要なものを届けることも重要です。
社長
薬王堂は、東北ではそれなりの存在感がありますが、業界全体では中規模クラス。これからも地元は大切にしていきますが、それだけで満足しないのが薬王堂。今まさに、東北からエリアを広げ、ドラッグストアに縛られない取組みに挑戦していくつもりです。
副社長
5年程前から、社長を中心にスタートアップ企業とタッグを組み始めて、現在もさまざまなプロジェクトが立ち上がっています。まだ誰も想像していない進化を起こすのは、私たちなんじゃないかと。
社長
その理由の一つは、私が40代半ば、副社長が30代半ば。小売業界の経営者の中でも若いこと。いい意味で業界に染まっていないからこそ自由な発想と変化を起こす力がある。そして、本部を中心に経営者の思想を理解し実装できるメンバーが成長してきているのと、店舗でしっかりとオペレーションを回すスタッフが揃っていることも大きい。
副社長
特に、本部でプロジェクトを実装していくメンバーが拡大しているのが、今の薬王堂の強み。
社長
それに興味を持ったコラボ企業や取引先が集まり、多数の新プロジェクトが発足している。薬王堂と一緒に働くと刺激を受ける、そう感じてもらえる企業になっていきたい。
副社長
外からは見えにくいですが、薬王堂はスタートアップ企業のスピード感とノリを持つ会社。

西郷 孝一/代表取締役 社長執行役員

大学卒業後、大手消費財化学メーカーで5年間勤務。その後、2012年4月に株式会社薬王堂に入社。営業企画部長、商品部長、業務改革部長、経営企画部長を歴任し経営に携わる。2018年4月に設立した薬王堂100%子会社の「Med!ca」の代表取締役、2021年5月には薬王堂ホールディングス常務取締役経営戦略部長、2022年3月に薬王堂取締役常務執行役員営業本部長に就任。企業としての中長期的な戦略の立案から実行と、他業界の人材と企業とのコラボレーションを推進。営業部門の責任者を経て2024年3月から現職

西郷 泰広/取締役 副社長執行役員 兼 DX戦略部長

大学卒業後、IT企業でソフトウェアエンジニアとして経験を積んだ後、エンジニアの経験を活かしてDXを推進するため、薬王堂に入社。DX推進室にて『P!ck and』のサービス開発に携わった後、DX戦略部立ち上げとともに、2022年3月には薬王堂ホールディングス管理部長および薬王堂取締役執行役員管理本部長 兼 DX戦略部長に就任。管理部門の責任者を経て2024年3月から現職。

社員も会社も成長するために改革してきたこと。

社長
本部を中心としたメンバーの成長のおかげで、この2~3年で薬王堂は大きく進化しました。
副社長
薬王堂のパワーを支えているのは、店舗で働く人材です。彼らが真面目に運営してきたからこそ、今がある。一方で、その実行力をどこまで活かしきれているかは疑問でした。営業トップに就任して取り組んだのは、店舗のオペレーションの簡略化。店舗の業務負担を減らし、余裕を生み出すことで本来やるべき本質的な業務に集中でき、売上も向上しました。
社長
小売業界ではよく「頑張らないと売上は上がらない」といわれますが、薬王堂は店舗を楽にして売上を上げてきた。それは数値から答えが出ている。薬王堂はサイエンスを大切にしています。
副社長
同じように本部のメンバーへの指示も、やるべきことを絞ってシンプルに。小売業は数字を見る力が大切ですが、すべての数字を見ればいいわけでも無い。変数が無数にある中、見るべき数字を絞りマクロ動態、統計、傾向、何が売れているのか、その時期は?などを分析することで経営力のアップを促しました。これを通して、商談のレベルも向上。今、データサイエンスやAIを活用したプロジェクトを推進しているので、これらをバイヤーに提供することで、さらに仕事がレベルアップしていくのではないか。
社長
本部のメンバーに余裕が出てくると業務のクオリティも上がり、通常業務以外の新規プロジェクトにもパワーが掛けられるようになった。そこで、スタートアップを始めとする社外の方々から刺激を受けられるようになり、成長が加速していると感じます。
副社長
実践の場が多いから、メンバーの学習のスピードも速くなっている。でも、まだこういうチャンスを社員全員に与えられていない。それを、この数年で倍増させていきたいと思います。

これから企業が目指す方向と求める人材とは?

社長
薬王堂は、今後も多くの新規プロジェクトに取り組んでいきます。その過程で社員が成長し、「一緒に課題解決したい」と思う企業や人が集まり進化していく。それと同時に、薬王堂の社員が何を「課題」とするか、また、パートナーやお客様が何を求めているのか。その時、その時の社会の課題を見つめながら取り組んでいく。みんなで課題を見つけながらポジティブに変化し、機能していく会社でありたい。
副社長
社内外の人達と関わって新しい価値を生み出していく。そんな現在のチャレンジは維持していきたい。社員の成長をいかに企業の価値に結びつけられるかを考えていきたいです。
社長
そうしたなかで、これから薬王堂で働く方に期待するのは、学ぶ意欲と姿勢。私たちがタッグを組むスタートアップ企業は、必ず何か超越した知識や技術を持っています。一緒にプロジェクトを進める時に彼らの言葉を素直に受け止める人が早く成長している。素直に学ぶ力、多様な考えや意見を受け止める力。そういう力がある方は薬王堂で成長していけると思います。
副社長
店舗を運営する上では、気づいたことを自分の言葉で発信する力が大切。現場の課題は店舗で働く社員でないと気づけない。店舗運営の全体を捉えながら課題を挙げてほしいです。
社長
実践の場で磨かれながらビジネススキルを伸ばす。そんな成長できるチャンスがここにはたくさんあります。
副社長
今あるビジネスモデルにとらわれたくない人、経営者と一緒に成長したい人は、薬王堂に来てほしい。これまでにない会社を東北から作っていきます。